【広告】会員制コミュニティサイトによる広告モデル1

未だに、竹の子のようにポコポコ生まれてくる会員制コミュニティサイトによる
広告モデルは、もっとも基本的な3点が理解されておらず、収益を如何に上げて
いくのか具体的な戦略が欠けたままスタートしてしまう場合が非常に多く感じる。

即ち、

1.集客:会員を集めること。
2.維持:集めた会員を活性化しアクティブ会員を維持し続けること。
3.収益:広告で収益を上げるには営業が必要なこと。


【1】集客-会員を集めること。
コミュニティサイトという入れ物があるだけでは、ユーザーは集まらない。
ユーザーがサイトを訪問し登録し継続的に利用してもらうには、4つの手法がある。
「情報」「コンテンツ」「インセンティブ」「コミュニケーション」

広告を売るための媒体価値としては、余程専門的なものでない限り、最低10万人規模の
会員が必要となる(性別・年代でセグメントしても、万単位を維持する最低ライン)。
しかしながら、会員を集めるには、特に短期間で集めるには非常にお金が掛かるのだ。

大抵の場合、アフィリエイトで集めるのだが、1ユーザーの登録あたり50~500円くらい
のコスト(登録条件や成果対象条件による)が掛かるので、1万人の会員を集めるだけ
でも先行投資として100万単位もの資金を投入する必要が出てくる。
そして、最終的に専門性のない会員制サイトは、累計会員数1,500万人を誇るmixiと
戦わなくてはならなくなるという絶望的な展開が待っているのだ。
(広告主の取り合いという意味でも、アクティブユーザーの取り合いという意味でも)


このパターンの最大の失敗例(まだ稼動しているが)と言えるのが、Anyだろう。
様々なベンチャーキャピタルからmixiを超える資本金を得て、アフィリエイトで
短期間に60万以上の会員を集め、SNSの中では何でも有りの高機能さを誇っているにも
関わらず、ユーザー活性化状況といえば、パッとサイトを見てもユーザー規模に
見合わない低いレベルであり、未だ広告収益の目処すら立たない状態であるからだ。


そこで、mixiとの正面対決を避ける方向性としては、カテゴリ特化型(例:@cosme/
化粧品)や職業特化型(例:m3/医師)などの特化型会員制サイトの道もある。
しかしながら、特化型のユーザーというのは、特化しているが故に、
マス広告的なアフィリエイトで大量に集めるのは難しく、サイト上の
「情報」「コンテンツ」「コミュニケーション」のいずれかを充実させて、
地道にユーザーを増やしていくしか道はない。

【成功例】
・情報:@cosme 化粧品のクチコミ
・コンテンツ: モバゲータウン 無料ゲーム
・コミュニケーション: 成功しているコミュニティサイト全般


そして、「情報」「コンテンツ」「コミュニケーション」を充実していく作業と
いうのは、アフィリエイトによる集客とは異なり、時間も人的リソースも掛かる
気の遠くなるような道である。何しろ、どんな頑張ってユーザーを獲得しても、
その時点では広告収益に繋げるためのスタートでしかないのだ。
しかも、折角獲得したユーザーも、あっという間にサイトに飽きてしまうので、飽きる
前までに、ユーザーにサイトへの居心地の良さを感じて貰わねば話が始まらない。