Yahoo!JAPANが、モール、ECサイトASP、CtoC市場を丸ごと獲りに来た強烈過ぎるeコマース新戦略を発表。
「Yahoo!ショッピング」を色々無料化するとともに、「ヤフオク!」のストア出店料や個人の出品手数料などを無料化。

●プレスリリース
Yahoo! JAPAN、eコマース事業における新戦略を発表「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」のストア出店料を無料に個人の出店も可能にし、自由なECで新たなビジネスチャンスの創出へ

●詳細記事
孫正義氏「これまでのヤフーは間違っていた」、EC手数料「無料化」の意図説明


【Yahoo!ショッピング】
・初期費用無料(今までは、初期費用2万1000円)
・毎月の固定費無料(今までは、月額費用2万5000円)
・売上ロイヤリティ無料(売上の1.7~6.0%)

※ Tポイントの原資分や決済手数料などはかかる


●新戦略の何が衝撃なのか
上記3つの無料施策も強烈だけど、一番ヤバイと思ったのは、「顧客メールアドレス自社保有OK!」。モール最大のデメリットと言える顧客データを持てないために、顧客へアプローチが簡単にできないという不満感を解消した。
ある程度成長できたECサイトが、モールよりも自社運営のサイトへ注力し始める最大の理由と聞いたことがある。無料化もそうだが、メールの自由化は、ECサイトを惹きつける強力な動機となるだろう。「外部リンクの解放」も熱い。


●市場への影響はどうか
「Yahoo!ショッピング」としては、出店料や手数料収益から広告収益に転換するとの話なので、各ECサイトがその分浮いた予算で広告に出稿しやすいよう全力でテコ入れしてくるだろう。ECサイトの広告予算を全部獲りに行く勢いで。
ネット広告予算の動向にも、大きな影響を与えそうだ。

このYahoo!のeコマース事業における新戦略は、対楽天というのも大きいのだろうけど、ECサイトASPとCtoC市場については、Yahoo!に匹敵するビッグプレイヤーはいないから、力技で完全に蹂躙しに来た感じ。もし私が、ECサイトASPやCtoCビジネスに携わっていたら、ちょっと死にたくなる。

ECサイトもユーザーも、集めたもの勝ちだよね、と。


●Yahoo!JAPANの狙いとは何か
狙いは、Yahoo!・Tポイント連合経済圏の構築と拡大ではないか。
もし、Yahoo!JAPANが、Yahoo!・Tポイント連合経済圏の構築・拡大を目指すのであれば、今後モバイル決済(PayPal、Square、Coiney)のどれかを買収または提携するのではないかと予測する。
で、楽天経済圏に対し、Yahoo!・Tポイント連合経済圏でのガチンコ勝負を掛ける、と。
そして、スマホ・タブレットおよびリアルへの両社の対応状況が、勝負の分かれ目となるだろう。


●Tポイントについてのあれこれ
提携したとはいえ、なんでYahoo!JAPANがそこまでTポイント全面押しなのか、と思っていたら、今回のeコマース新戦略で繋がった。Tポイントが貯まるYahoo!カードも、今後全力で宣伝していくだろう。
リアルに強いTポイントは強力だが、Yahoo!からすれば外部サービスなので、コスト的には楽天より遥かに厳しくキャンペーンなどは中々難しいので、一概に楽天より優位とは言い難い。

また、楽天ポイントと違って、Tポイント自体が弱点になる可能性もあると考える。
個人情報保護法改正の方向性によっては、Tポイントは厳しい状況に追い込まれる可能性があり、それがリスクになるかもしれない。可能性はそこまで高くはないと思うが。
それに、一般ユーザーのTポイントへの信頼感がどんなものかというのが気になるところ。



個人的には楽天ユーザーなので、楽天経済圏がYahoo!・Tポイント経済圏に押されて停滞するのは困るけど、双方で切磋琢磨してサービスがより盛り上がっていくと嬉しいかな。