先日のLINEカンファレンス2014で発表されていたモバイル決済「LINE Pay」がついに開始された。
という訳で、機能面の説明はTechCrunchにお任せとして、その狙いと利用促進の設計について考えてみた。
2014-12-16-22-30-20

●LINE Payって何?
要はLINEの電子マネーで、「決済」「入金」「送金」「割り勘」機能を持つ。


●LINE Payの狙いとは
考えられる目的は大きく下記の3つ。
決済手数料で儲けるつもりはないと考えている。

1. 自社の有料サービスや加盟店サービスの横串
(LIFEプラットフォームの軸としての位置付け)
2. 自社の有料サービスの利便性向上(決済の簡略化)
3. LINEのサービスへの接触頻度の向上


1. 自社の有料サービスや加盟店サービスの横串
→LINEの有料周辺サービス(WOW、TAXI、MUSIC、マンガ、MALLなど)や加盟店のECサイトなどの軸となるプラットフォームにすること(即ち、LIFEプラットフォームの軸としての位置付け)を目的としていると考えられる。
決済を横串にして、自社の有料系サービス「リアルタイム×EC」「コンテンツ」への横展開をしやすくするためだ。
楽天の色々なサービスで使える楽天スーパーポイントの電子マネー版というイメージ。

なお、LINE Payの投入は、LINE社が「リアルタイム×EC」「コンテンツ」という自社の有料サービス(収益の柱)の拡大に本腰を入れていることを意味すると思われる。


2. 自社の有料サービスの利便性向上(決済の簡略化)
→「リアルタイム×EC」の有料サービスは、アプリ上で完結しない性質上、お金の支払いが面倒になってしまうが、その「決済」という敷居をLINE Payによって下げることが狙いと思われる。


3. LINEのサービスへの接触頻度の向上
→有料サービス購入の際の「決済」もLINE内部で行えるようにすること、さらには「送金」「割り勘」というユーザー同士の利用を想定した機能を導入することにより、プラットフォームとしてのLINE Payとの接触頻度向上も想定していると考える。


●企業とユーザーを繋げる「コミュニケーション」とは別の決済プラットフォーム
LINE Payは、100万円以下の手数料を0にすることで、企業や店舗が「LINE Pay」に加盟しやすくしている。
企業や店舗からすれば、LINE Payの決済プラットフォームを経由してLINEユーザーにアプローチできるのは大きな魅力であり、
LINE社からすれば、LINEの企業公式アカウント以外に、ユーザーと企業を紐付ける新たな接点を作ることができる訳だ。
つまり、企業とユーザーを繋げる新たな接点を提供することで、LINEの価値を向上させつつ(LIFEプラットフォームの確立)、さらには新しいビジネスチャンスを創出しようとしているのだろう。


●︎LINE Payの利用促進の設計とは
LINE Payの利用登録は、LINEアプリ内で行えるとはいえ、はっきり言って敷居が高い。本人確認のために、名前・生年月日・住所・身分証のUP(LINE社側で確認)が必要だからだ。
また、「決済」機能は、LINE社の自社サービスと加盟店が拡大していかないと、利用する機会が中々ない(利用意欲が湧かない)という問題がどうしてもあり、これらの敷居の高さを乗り越える仕掛けが必要となってくる。

そこでの工夫が「割り勘」と「送金」の2つの機能と思われる。
「LINE Pay」がモバイル決済機能だけではなく、「送金」「割り勘」機能というLINE社が全く儲かる余地のない機能を入れたのは、LINE Pay利用促進のため、と踏んでいる。

「割り勘」機能は、割り勘の性質上、全員がLINE Payを使っている必要があるため、まだ使っていないメンバーに使うよう勧める効果が見込める。そうやって、友人や同僚同士で、LINE Payの利用を促進していくのが狙いと思われる。勿論、利用機会の提供の意味もあるだろう。

「送金」機能は、国内において、銀行送金以外での送金方法のデファクトになる可能性を秘めている。
最も想定される使い方は、親から子どもへの送金でないか。これにより、子どもから親へ、LINE Payを使うよう勧める機会が発生し、やはり利用拡大目的もあると考える。

つまり、「割り勘」は友人や同僚同士で、「送金」は子どもから親へ、ユーザー同士で利用を促進してもらう設計な訳だ。


●LINE Payの利用促進の次なる打ち手とは
モバイル決済サービス(電子マネー)をユーザーが使いたくなる理由は、基本的に「利便性」と「おトク感」の2点である。
「利便性」については上記に挙げた通り、自社サービスと加盟店の拡大により、LIFEプラットフォームとしての価値を高めていく方針と考えられる。

そして、「おトク感」として有効なのは、ずばりポイントサービスだ。
ポイントサービスは、複数サービス間の横串としても有効であり、横串としてのLINE Payプラットフォーム強化のために、近々ポイントサービスの投入を検討していると考えている。
ただ、同系統のサービス乱立を回避するために、「LINEコイン」と「LINE Payのポイントサービス」は統合されるものと予測している(iOS・Androidの仕様上の制約に引っ掛からなければ)。