蠅の王 -Lord of the Flies-

ウェブと営業と三行日記。

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Amazon IDでサードパーティのサイトで支払ができる新サービスが発表されたので、
その狙いとか日本国内でサービスインされたらどうなるのかとかを考えてみる。

Amazon IDでサードパーティのサイトで支払ができる‘Login and Pay with Amazon’ がスタート


●何ができるのか
何ができるかと言うと、要はECサイト上で、次の2つの機能を提供すること。

AmazonアカウントでECサイトにログインできる
AmazonアカウントでECサイトで決済ができる


●ECサイトとユーザー側のメリットは何か
ECサイトにとってメリット
→ログインと決済の敷居と工数を下げることにより、客数と売上の向上が見込めること。
ユーザー側にとってのメリット
→ログインと決済の手間が減ることにより、利便性が上がること。
 また、クレジットカード情報をECサイトへ登録しなくてよいというのも大きい。


●Amazonの狙いとは何か
ズバリ、世界2億1.500万人のAmazon経済圏の外部ECサイトへの拡大、だろう。
即ち、世界のEC市場における「ユーザーアカウント」と「ネット決済」の標準となること。一言で言えば、PayPalブっ倒す。


●日本国内における競合となりうるサービスは何か
まだ日本でいつサービスインするかは不明であるが、国内で直接の競合となる決済サービスは大きくは下記の4つだろう。
(クレジットカード決済、銀行決済、コンビニ決済、代引きを除いたネット決済)

1.大手ネット企業
   (楽天あんしん決済、Yahoo!ウォレット、Googleチェックアウト、など)
2.携帯キャリア
   (ドコモケータイ払い、au かんたん決済、ソフトバンクまとめて支払い)
3.電子マネー
   (楽天Edy、Suica、ウェブマネー、iDなど)
4.PayPal

上記のうち、Amazonが日本のネット決済を抑えるのに高い壁となるのは、おそらく、楽天・Yahoo!・携帯キャリア(ドコモとau)の計4社。4社とも、日本国内ではAmazon以上のユーザーを抱えている。

とは言え、ECサイト側からすれば、Amazonユーザーの多さも無視できるレベルではないので、導入が簡単であれば設置される可能性は高いのではないか。と言うか、小規模なECサイトの場合は、導入の簡単さがキーになる可能性は高いだろう。

4社とも、大手ECサイトの開拓は積極的に行っているので、Amazonが大手ECサイトを攻略するのは簡単ではないだろうが、数が多く小規模なECサイトに対してはどうだろうか。
もし、4社とも小規模なECサイトへの手を打っていないのであれば、Amazonに全部持って行かれる可能性も有り得る。


●日本国内における今後の動向を予測する
であるので、今後の動向としては、楽天とYahoo!が小規模ECサイト向けに簡単に導入できるログイン・決済サービスを投入すると予測する。
(私が知らないだけで、もうされているのかもしれないけど。)

対Amazonの意味もあるが、自社サービスの経済圏拡大の何よりの武器となるし、今回のAmazonの発表で両社ともより一層スピードを上げ動きを活発化させることだろう。
少なくとも、Yahoo!がYahoo!ウォレットのテコ入れをしてくるのは、先日のeコマース新戦略の発表もあり、間違いないだろうと考えている。

大手ネット企業における経済圏の争いとは、如何に「ユーザーアカウント」と「決済」を押さえて、ユーザーの購買行動を占有していくか。
日本国内においては、Amazonが、楽天・Yahoo!に続く第3の経済圏を目指すか、大手ECサイトのままでいるかのキーとなる施策になるのではないだろうか。
よって、この施策の国内での本気度合いによって、Amazonジャパンの戦略の方向性が見えてくると考えている。


まー、これだけでは、日本国内で楽天・Yahoo!には勝てないと思うけどね。
Amazonは、日本人の大好きなポイントサービスが両社に比べると、話にならないくらい貧弱だし。一定の勢力(と言うには強大ではあるが)は保つにせよ。

Yahoo!JAPANが、モール、ECサイトASP、CtoC市場を丸ごと獲りに来た強烈過ぎるeコマース新戦略を発表。
「Yahoo!ショッピング」を色々無料化するとともに、「ヤフオク!」のストア出店料や個人の出品手数料などを無料化。

●プレスリリース
Yahoo! JAPAN、eコマース事業における新戦略を発表「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」のストア出店料を無料に個人の出店も可能にし、自由なECで新たなビジネスチャンスの創出へ

●詳細記事
孫正義氏「これまでのヤフーは間違っていた」、EC手数料「無料化」の意図説明


【Yahoo!ショッピング】
・初期費用無料(今までは、初期費用2万1000円)
・毎月の固定費無料(今までは、月額費用2万5000円)
・売上ロイヤリティ無料(売上の1.7~6.0%)

※ Tポイントの原資分や決済手数料などはかかる


●新戦略の何が衝撃なのか
上記3つの無料施策も強烈だけど、一番ヤバイと思ったのは、「顧客メールアドレス自社保有OK!」。モール最大のデメリットと言える顧客データを持てないために、顧客へアプローチが簡単にできないという不満感を解消した。
ある程度成長できたECサイトが、モールよりも自社運営のサイトへ注力し始める最大の理由と聞いたことがある。無料化もそうだが、メールの自由化は、ECサイトを惹きつける強力な動機となるだろう。「外部リンクの解放」も熱い。


●市場への影響はどうか
「Yahoo!ショッピング」としては、出店料や手数料収益から広告収益に転換するとの話なので、各ECサイトがその分浮いた予算で広告に出稿しやすいよう全力でテコ入れしてくるだろう。ECサイトの広告予算を全部獲りに行く勢いで。
ネット広告予算の動向にも、大きな影響を与えそうだ。

このYahoo!のeコマース事業における新戦略は、対楽天というのも大きいのだろうけど、ECサイトASPとCtoC市場については、Yahoo!に匹敵するビッグプレイヤーはいないから、力技で完全に蹂躙しに来た感じ。もし私が、ECサイトASPやCtoCビジネスに携わっていたら、ちょっと死にたくなる。

ECサイトもユーザーも、集めたもの勝ちだよね、と。


●Yahoo!JAPANの狙いとは何か
狙いは、Yahoo!・Tポイント連合経済圏の構築と拡大ではないか。
もし、Yahoo!JAPANが、Yahoo!・Tポイント連合経済圏の構築・拡大を目指すのであれば、今後モバイル決済(PayPal、Square、Coiney)のどれかを買収または提携するのではないかと予測する。
で、楽天経済圏に対し、Yahoo!・Tポイント連合経済圏でのガチンコ勝負を掛ける、と。
そして、スマホ・タブレットおよびリアルへの両社の対応状況が、勝負の分かれ目となるだろう。


●Tポイントについてのあれこれ
提携したとはいえ、なんでYahoo!JAPANがそこまでTポイント全面押しなのか、と思っていたら、今回のeコマース新戦略で繋がった。Tポイントが貯まるYahoo!カードも、今後全力で宣伝していくだろう。
リアルに強いTポイントは強力だが、Yahoo!からすれば外部サービスなので、コスト的には楽天より遥かに厳しくキャンペーンなどは中々難しいので、一概に楽天より優位とは言い難い。

また、楽天ポイントと違って、Tポイント自体が弱点になる可能性もあると考える。
個人情報保護法改正の方向性によっては、Tポイントは厳しい状況に追い込まれる可能性があり、それがリスクになるかもしれない。可能性はそこまで高くはないと思うが。
それに、一般ユーザーのTポイントへの信頼感がどんなものかというのが気になるところ。



個人的には楽天ユーザーなので、楽天経済圏がYahoo!・Tポイント経済圏に押されて停滞するのは困るけど、双方で切磋琢磨してサービスがより盛り上がっていくと嬉しいかな。

「ソーシャルゲームだけがなぜ儲かるのか」を読んだので、読書メモを書いた。
元DeNAの中山淳雄氏が2012年半ばから後半にかけて書かれた
「ゲームの本質」を体系化した本で、何年経っても色褪せない素晴らしい本。




●ソーシャルゲームの成功方程式
=「ソーシャル(人を集める力)→無料&招待インセンティブ」
×「ゲーム(人を熱狂させる力)→コミュニティ」
×「アイテムマネタイズ(熱狂をお金に変える力)→課金プレミアムシート」。


●ソーシャルゲームのユーザータイプ分類
ライトユーザー(月課金1000円以下)
ゲーム経験とソシャゲ経験が共に浅く、ゲーム機未保有。10-60代までと属性が幅広く、偏りは少ない。

ミドルユーザー(月課金5000円未満)
子ども時代にゲーム機でのゲーム経験が豊富で、ソシャゲ経験1年以上が多い。男女比率の偏りは少なく、大学生や若手ビジネスユーザーが多め。

ヘビーユーザー(月課金5000円以上)
30-40代中心。熱中しやすいギャンブル型と、コミュニティ作りに慣れているネットヘビー型と、極少数のランキング上位に君臨する超ヘビーなハイステータス型。


●ソーシャルゲーム市場の規模感(2012年前半時点)
月間アクティブ約2000万人(年間4000億円)。
内、課金ユーザーは20%の400万人(月平均6000円)。
課金ユーザーの内、ヘビーは40万人(月4万円で年50万円)、残りが360万人(月4000円で年5万円)。

ソーシャルゲームのヘビーユーザー(月平均4万円で年間50万円)というのは、パチンコユーザー(月3-5万円で年間30-60万円)に匹敵する。が、ユーザー層がそこまで一致している訳でもない。


●「遊び」の四分類
A.感覚的倒錯(操作性)→遊園地・操作系ゲーム。
B.オンリーワン(装飾性)→演劇・アバターや街作り系。
C.ナンバーワン(競争・協力性)→スポーツ・バトル系。
D.運命的倒錯(偶然性)→賭博系全般。

コンソールゲームは、A.感覚的倒錯(操作性)とC.ナンバーワン(競争・協力性)を刺激する遊び。
ソーシャルゲームは、B.オンリーワン(資産収集・自己顕示)とC.ナンバーワン(ソーシャル性)+D.運命的倒錯(偶然性)を刺激する遊び。

ソーシャルゲームにおける「カードゲーム」のブレークスルーとは、集客性の面でのB.オンリーワン(資産収集・自己顕示)の構造強化と、やり込み幅が大きいC.ナンバーワン(ソーシャル性)の構造強化の両方を同時に追求できたこと。

ソーシャルゲームにおいては、B.オンリーワン(装飾性)、C.ナンバーワンが、「人を熱狂させる力」となり、D.運命的倒錯(偶然性)が、「熱狂をお金に変える力」となる。


●インフライノベーションの4要素
「通信端末の普及(フィーチャーフォン)」
+「サービスプラットフォーム(公式ポータル・一括決済システム・定額課金制)」
→携帯キャリアが製造から販売まで支配力を持っていた日本ならでは。
+「コンテンツ(ゲーム)」
→2008年時点で、5000億円近いモバイルコンテンツ市場の約20%弱が、既にモバイルゲームだった。
(ちなみに、着うた・着メロで約30%、アバター・アイテム販売は僅か3%だった)
+「携帯課金の習慣・文化」
→2008年時点で、モバイルコンテンツ市場4835億円+モバイルEコマース市場8689億円
=全体で1.3兆円であり、1億人のケータイユーザーが月平均1000円を支払っていた訳で、
既に携帯で課金する習慣が確立されていた。
(2012年時点のソーシャルゲームユーザーは月平均2000円)


●マーケティングイノベーション
1.スキマ時間の創造
2.データ分析に基づくリアルタイムマーケティング
3.イベントマーケティング

アイデアから消費者までの「距離」が近くなった
これらのマーケティングの基準は、従来の「顧客の声」ではなく、「顧客の行動」である。
(ID-POSデータなども当てはまるかな?)
→パラメータをチューニングしながら最適値に到達する生産技術は、他社には真似しにくい非常に強力な差別化点となる。

※ 従来のマーケティングが、「情報を集める」「セグメント化したユーザーを集める」「マッチング」の三セットという「静的」な軸をベースにしているのに対し、リアルタイムマーケティングでは、ユーザーの行動という逐一変化する「動的」な軸をベースにしている。


●ソーシャルイノベーション
→ソーシャルゲームがやったことは、「昔から常に遊びには必要だった『ソーシャル』をデジタルな空間に再現するノウハウ」というイノベーションなのである。

→フリーミアムモデルの本質は、「ユーザーがコンテンツを作る」と「ユーザー自身がコンテンツになる」(娯楽には観客が必要)という二点に帰結する。

→ソーシャルゲームの熱狂を生む原動力である「成長感」「ご褒美」「人間関係」は、リアルな世界でも当てはまる。

→ソーシャル自体を商品とする仕組み。
1.関係性を遊びとする。
2.ユーザーがコンテンツになる。
3.ユーザーが成長する。

大事なことは結果ではなく、その成長プロセスの分解にこそ、眠っている。


●第五次産業を創造しよう
第一次産業=「食料」が価値を持つ
第二次産業=「モノ」が価値を持つ
第三次産業=「人(サービス)」が価値を持つ
第四次産業=「情報」が価値を持つ
第五次産業=「関係性(コミュニティ)」が価値を持つ
→第五次産業では、「コミュニティの中での自分の位置を高めてくれるデジタルコンテンツ」で収益を上げる。
(自分のアイデンティティを象徴する衣服、即ちアパレル産業とは非常に親和性が高い)
→「コミュニティ」による付加価値を商品にすることであり、「人を介さない自己増殖性」が本質である。
→この領域の鍵は、「優れた戦略」ではなく「優れた業務プロセス」であり、「開発技術(何を作るか)」ではなく、「生産技術(どう効率的に作るか)」である。

人間の娯楽は人間である。


●価値を生み出す錬金術
価値を生むには、「有用性」と「希少性」があればよく、ソーシャルゲームの真髄とは、「希少性のコントロール」にある。
価値の希少性が価値相場を創出する。全ての活動は、運営側とユーザー側、もしくはユーザー同士での「価値の交換」である。
ユーザー全体の価値総量は増え続け、徐々に進む価値のインフレは止められない。そして、価値総量が多くなり過ぎて、ユーザー側から価値を価値と認めなくなってきた時に、ソーシャルゲームは終焉を迎える。
なお、収益を求め過ぎて、「希少性のコントロール」をユーザーが感じさせてしまうと、あっという間にユーザーは離れていく。


●最後に
ソーシャルゲームは、あくまでも
「ユーザーに楽しんでもらう」ことが、サービスの中心であることを忘れてはならない。

ようやく2週間前にリリースされた噂のタダスマを確認できたので、問題点とかビジネス的に
どうかとか色々と考えてみたことを今更ながらブログにまとめてみる。


m1


第一印象としては、大学生向けに「データ通信料2980円以外は0円」を実現したのは面白い。
が、サービスサイトに必要と思われる情報が少な過ぎて、さらには重要説明事項と利用規約が
読ませる気がないだろう、と言いたくなるほど、読みにくい点に関しては、問題だと感じている。
月額2980円、学生向けデータ通信端末「タダスマ」発表



●説明不足と思われる内容

ザッと見ただけでもタダスマのサービスサイトには、「スマホではなくPocket WiFi」
「広告表示のされ方」「通話機能をSkypeで代用」「データ通信量の上限」
「契約解除料について」「個人情報の収集・活用内容」などは入れるべきだと思う。

利用者からすると、特に「通話機能をSkypeで代用」はちゃんと説明しておかないと、
後々トラブルになるのではないか。Skypeだと固定電話や携帯電話とは通話料金が別途掛かるし。
後は「3年縛りに満たないと契約解除料が掛かる」ということも。

また、タダスマというネーミングであるにも関わらず、実態は「スマホではなくPocket WiFi」と
いうのも、利用者に誤解を招く可能性が高いだろう。端末自体のスペックも低いので、
WiFiとしては兎も角、「ケータイ」や「情報端末」としてはかなり微妙なのではないか。
はたして、価格の安さだけで学生から受け入れられるかには、疑問が残るところではある。


●個人情報について問題と思われる点

タダスマは端末で広告表示するのだから、ユーザーのどの個人情報を活用してなのか、ちゃんと
説明し理解してもらわなければならない。申込時の登録情報で判別するつもりなのだろうか。
そういった点が、サービスサイトで全く説明されていない点は、ユーザーの理解を得る気が
ないと思われても仕方が無いだろう。
特に、利用規約 の「第5条 プライバシー」と「第20条 その他」には問題があると考える。

タダスマの利用規約で気になるところ1。
第5条 プライバシー「1 (略)利用者の個人情報が弊社と契約する加盟店・提携業者等に
対して提供されることについて利用者はあらかじめ同意するものとします。(略)」

→これは広告表示だけの話なのか、他の場合も想定しているのか、提供される個人情報の範囲は
 どこまでなのか、そういった点が明記されていない。


タダスマの利用規約で気になるところ2。
第20条 その他「1 当サイトでご注文した場合、利用者は株式会社オーシャナイズが
提供する他のサービスの会員になることを承諾するものと致します」

→どのサービスへの登録なのかの指定・説明がなく、サービス登録の同意取得になっていない。


●契約回線が一定数に達するごとに月額料金が少し安くなる方式

タダスマに関して1つ擁護しておくと、「契約回線が一定数に達するごとに月額料金が
少し安くなる方式」を「ねずみ講」と言っている人がいるが、そもそもこの方式ならば犯罪である
「ねずみ講」(無限連鎖講)とは全く形態が異なり、非常に失礼な話である。
考え方自体は、共同購入に近いのではないか。


●自社メディア専用端末という可能性

タダスマをビジネス視点で考えてみると、「端末販売」と「学生向けメディア」の2点あることが
興味深い。学生向けの広告や調査はどの企業も悩むニーズの高い部分であるし、しかも
携帯キャリアやGoogleやFacebookですらまだ実現できていない「広告・自社メディア入り端末」を
学生の手元に持たせることが出来る訳だから。

タダスマが「学生向けメディア」としてビジネス的に成り立つためには、10万回線くらいは
いるのだろうけど、メディア構築までの先行投資を「端末販売」という形で(たぶん)収益を
上げながらクリアしているのも、上手いと思う。
学生の同意と理解が前提とはなるが、化ける可能性はあるのではないか。


●まとめ

タダスマの所感としては、「データ通信料2980円以外は0円」というコンセプトは、
お金のない大学生向けにはメリットとなり良いと思うが、端末の特徴や注意事項など
重要な説明が省略され過ぎなのと、個人情報周りの説明・理解を得る努力が足りないところは
改善すべきだろう。今のところ、行動ターゲティング広告の会社でよくあるような企業側の
意図的な悪意は感じないので、きっちり改善すべきところは改善されることに期待したい。

「タダスマ」について色々考えてみると、上手くいくかは分からないし改善すべき点も多いと
思うが、スゴイ取り組みだと考える。と言うか、よく形にできたよね。ネット業界にいるから
こそ、端末のような「ハード」が入ることで跳ね上がる難易度とリスクがよく分かる。
粗も目立つがそれらを改善していけるのなら、オーシャナイズは今後も要注目ではないだろうか。
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2011年 7月23日(土)に、JMRX勉強会【次世代MRネクストステップに向けて】に
初めて参加したので、講演を聴きながら考えたことを忘れないうちに書いてみる。

私自身は前職がIT系で、今は広告や販促やリサーチなどに色々と足を突っ込んでおり、
プライベートでもソーシャルメディアや各種ネットサービス、アクセス解析や検索ツールなどを
弄っているので、リサーチャーの方とは、ちょっと感覚が違うのかもしれない。
と言うか、営業だし。

参加者は45名で、30歳前後から60歳くらいまで幅広い年代の方々がいた。
30歳前後の人で10名ちょいは居たかな。


<講演プログラム>
2011年 7月23日(土) 18時30分~ @築地社会教育会館
[JMRX勉強会【次世代MRネクストステップに向けて】]
-2011年上半期MRトピックスを振りかえる

【プログラム】
(当日、順番に変更があり下記の通りに)
【1】岸川茂氏(株式会社MROCジャパン)
  「海外MR会議報告第2弾:2011年上半期MR会議レビュー
   CASROテクノロジー会議報告―MROCとソーシャルリスニング、モバイルリサーチ
 *CASRO: Council of American Survey Research Organizations

 ⇒海外のMR会議での発表から、次世代MRの3つの主要方法の最新動向を
  ご紹介いただきます。

【2】中村耕史氏(クックパッド株式会社)
  「クックパッドのリサーチ方法」
  ⇒萩原雅之氏『次世代マーケティングリサーチ』で紹介されたクックパッド社の
  リサーチの方法についてご紹介していただきます。

【3】山崎晴生氏(株式会社クロス・マーケティング取締役)
  「ネット調査の過去・現在・未来」
   ⇒ネット調査業界第2位のクロス・マーケティング創業者山崎氏に過去10年の
  定量ネット調査を振り返っていただき、2010年代のMRを展望していただき
  ます。


【1】岸川茂氏(株式会社MROCジャパン)
  「海外MR会議報告第2弾:2011年上半期MR会議レビュー

 ●マーケティングリサーチの2大メガトレンド
   ・ソーシャル:ソーシャルリスニング、MROC など
   ・モバイル :スマートフォン、位置情報 など

 ●次世代MRの3つの主要方法の最新動向
  [1]MROCの最新動向
   ・PC→モバイルへ
   ・モバイルコミュニティ
     1)反応率を上げる
     2)画像アップなどのリアルタイム性
     3)自発的協力の推進
   ・アプリ利用
     1)バーコードスキャン
     2)ロケーション
     3)ゲーム
     4)ビデオベースのモバイル・エスノ
    
  [2]ソーシャルリスニングの最新動向
   ・リスニングによるオンライン定性の補強
     1)質問文の開発
     2)調査であげられた課題についてのリスニング
     3)インフルエンサーを特定してのリクルート
   ・課題発見・仮説構築

  [3]モバイルリサーチの最新動向
   ・サーベイを越えたもの(ロケーション・音声・写真・画像・動画など)
   ・モバイルはデータ収集コストをさらに下げる
   ・ジオ・ロケーション・トリガー・サンプリング
    (その場所に居る人たちに対してのリアルタイム調査)
   ・QRコード
     1)モバイルリサーチ
     2)リクルート
     3)広告効果測定
   ・マルチモードリサーチ能力

 ●マーケティングリサーチを変革するには
   ・自らを変革しなければならない
   ・領域を広げなければならない
   ・新しいスキルを発展させなければならない
   ・コード(綱領)を見直さなければならない
   ・リサーチャーの核となるスキルとは本当になんであるかを理解しなければならない

<思ったこと>
全体的には、今までも岸川さんの記事を読んでいたこともあり、方向性の予測は
ズレていなかったという感じ。「マーケティングリサーチを変革するには」の部分は、
リサーチに限らず、広告などの他の業界にも言えることなので、私自身も普段から
意識して、かつ実践していかなければならないと考えている。


【2】中村耕史氏(クックパッド株式会社)
  「クックパッドのリサーチ方法」

 ●普段やっていること
   ・タイアップページやレシピコンテストのレポーティング
   ・ユーザー調査(会員向けのWebアンケート・インタビューなど)

 ●クックパッドとは
  (PCサイト/クックパッド)
   ・  3,390万PV(トップページ)/月
   ・4億9,550万PV(全体ページ)/月
   ・  1,079万UU/月
   →アクセスのピークは、通常のサイトとは大きく異なり、
    16時以降あたりから始まる。夕食の食材を買いに行く前のタイミング。

  (モバイルサイト/モバれぴ)
   ・  3,424万PV(トップページ)/月
   ・5億6,065万PV(全体ページ)/月
   →アクセスのピークは、PCサイトよりも遅い時間帯から始まる。
    おそらく、買いに行く前ではなく、現地のスーパーでアクセスしているため。

 ●クックパッドのリサーチ(BtoB向け)
   ・サイト内でレシピを試してみた感想の収集「つくれぽ」
   ・検索キーワード分析「たべみる」

 ●「たべみる」クックパッドID会員のレシピ検索データを分析(年間8,000万検索)
  (BtoB向け有償サービス/30日間お試しは食品業界の方のみ)
   →検索データとは、欲求・興味のデータ
    つまり、主婦の料理に対する欲求・興味が分かる
   (基本アウトプット)
   ・SI値:検索1,000回あたりの検索頻度
   ・組み合わせ検索:複数ワードを組み合わせての検索、絞り込み検索
   ・KSI値:組み合わせ検索1,000回あたりの検索頻度
   ・マッチ度:ワードAと組み合わせ検索されたワードのうち、特定ワードで検索された比率
    参照:たべみる用語解説

   (応用アウトプット)
   ・SI値の年間推移
   ・組み合わせ検索語ランキング(地域別・季節別)
   ・人気メニュー
   ・地域ごとの特性の比較分析
   ・地域別・季節別の検索頻度を全国平均と比較

   (分析例)
   ・「キムチ」で検索してみると、組み合わせ検索語はどの月も
    「豚肉」がトップ。この結果により、「キムチ豚肉」は季節に関わらず、
    ニーズが高いことが分かる。
    また、「キュウリ」は夏を中心に、「鍋」は冬を中心にランキングが高く、
    「キムチ」との組み合わせで、この2つは季節性があることが分かる。
    なお、地域別に見てみると、「キムチ」は地域特性の差がほとんどない。

   (活用事例)
   ・販促企画・商品開発


<思ったこと>     
特化型サイトのBtoB向けマーケティング支援サービスの講演を聴いたのは初めて
だったので、とても興味深く面白かった。

クックパッド以外にも、下記企業でサービス化されていることを思い出し、
これらの企業の方にも話を聴いてみたと思った。

カカクコム(価格.com):トレンドサーチ
アイスタイル(@cosme):リサーチサービス

もちろん、これから取り組んでいく企業はたくさんあるだろう。
(TSUTAYAとか楽天とかmixiとか)


また、最近面白いところでは、コロプラが「位置情報」を活用した面白い分析を行っており、
丁度、日経ビジネスオンラインで連載が始まっているので、オススメ。

"福島県から県外への転居者が全壊数4倍の宮城県並みに存在し、しかもその過半が女性なんです"
【第1回】会員200万人 日本人の「移動データ」で経済を読み解く(おでかけの経済学)

「移動データ」による分析は、位置情報を投稿してくれる200万人の会員がいる
コロプラならではの調査手法。消費者動向把握やエリアマーケティングなどに
非常に有効なのではないか。
所謂、ソーシャルリスニングやMROCなどの次世代MRの一つとして、今後に期待している。


【3】山崎晴生氏(株式会社クロス・マーケティング取締役)
  「ネット調査の過去・現在・未来」

  (前の2つの講演とは違い、オフレコが多いこともあり、講演まとめではなく
   自分用メモ。講演で言っていないことやズレていることもあるかも)
   ※ (自分メモ)の部分は私の考えであり、講演内容とは関係ない。
  
 ●ネットリサーチを行う際の注意点
   ・きれいなデータ=正しいデータ、ではない
    →矛盾データがないと、回答者のマジメ度が分からないのでは?
     なので、ちゃんとした事業会社は、「きれいなデータ」にクリーニングする前の
     生データを納品してもらい、自分たちでクリーニング・分析する。

    (自分メモ)
      矛盾データは、回答者の商品への思い入れや質問文がちゃんとしたもの
      だったかなどが分かり、それはそれで役に立つ情報だと思っている。
      しかしながら、「兎に角データをきれいに!」という話は非常に多い。

   ・回答に要した時間は必ずチェック!
    →回答時間が短すぎる回答者は、マジメに回答していない可能性が高い。


 ●ネットリサーチのビジネスインフラとは
   [1]アンケートモニター
   [2]システム
   [3]サーベイメソッド

 ●大きな変化ー成り立たなくなるビジネスインフラ
   [1]アンケートモニター
    ・TwitterやFacebookのファンへのアンケート=モニター利用料は0円
     →ファンを活用したり、アプリを出したりと、今までのパネル方式とは
      違ったアプローチが必要となる。
    (もちろん、全部を代用できる訳ではないが、多くの部分を代用できてしまう
     可能性はある)

    (自分メモ)
      専業のアンケートサイトは近いうちに成り立たなくなるのではないか。
      mixiやTwitter、GREEにモバゲーなどと、ユーザーにとって面白いサイトが
      5-6年前と比べて圧倒的に増えており、ユーザーがアンケートサイトに
      登録したり、アクセスしたりする「理由」は相対的にどんどん減ってきている。

      また、スマートフォン専用のアンケートサイトの構築は、そもそもモニターを
      集めるのが難しく、実現は難しいと思う(PCモニターを流用するしかない)。
      (特に、若年層にとって、アンケートサイトが面白いとは思えない)

   [2]システム
    ・SurveyMonkeyの登場(年間34,900円や99,900円で、アンケートシステムが利用可能)
     →自社でモニターやサーベイメソッドを保有する会社なら、
      高額なアンケートシステムコストを大幅に削減することができる。
     →ネットサービスは限りなく無料に近づいていく
     →SurveyMonkeyでは複雑な調査はできない? という疑問に対しては、
      機能的にはこれで十分(複雑な画面は回答者がマジメに回答しない)
     →SurveyMonkeyの外部接続APIは秀逸で、TwitterやFacebookユーザーのみに
      回答を限定することも可能(国内でできるシステムはたぶんない)

   [3]サーベイメソッド
    ・新しいサーベイメソッドの誕生
     →ネットリサーチ後もサーベイメソッドに変わりはなかったが、
      ここに来て、新しいサーベイメソッドが必要となってくる時代の到来。
      (「ソーシャル」「モバイル」)

 ●大きな変化ー成り立たなくなるビジネスインフラ まとめ
   [1]アンケートモニター → 0円「ソーシャル」
   [2]システム      → 99%OFF「SurveyMonkey など」
   [3]サーベイメソッド  → 次世代MR「ソーシャル」「モバイル」
     →新しいビジネスインフラを構築しなければ次の時代から取り残される。
      かつてネットリサーチに取り残された従来型調査会社のように。

    (自分メモ)
      今までのサーベイメソッドをきっちり学んで実践しているリサーチャーの
      方々が、新しいサーベイメソッドを開発・実地で学んでいけば、
      鬼に金棒のような気がする。なので、今までのサーベイメソッドを
      ちゃんと身につけられていない若い人・会社よりも、
      もう少し上の年代の方々の方が有利な状況かつチャンスであると思う。
      たぶん、今の広告業界におけるソーシャルメディアと同じように、
      基本の重要性が再認識される。新しいものだけではダメ。

      まー目の前の業務に追い立てまくられて、中々新しいことを勉強するのは
      難しいとも思うけど。

      また、リサーチャーに限らず営業もなんだけど、これからは、
      新しい「ソーシャル」「モバイル」だけではなく、今までの「リサーチ」の
      近接領域である「広告」「システム」「アクセス解析」「検索」といった
      あたりも理解していかなければならないと考えている。特に「マーケティング全般」。
      でなければ、事業会社のマーケ担当者が相談するには相応しくなくなるだろう。

 ●MROCについて
    ・MROCに必要な知識・ノウハウ
     →英語(最先端の情報は英語圏にしかない)
     →ソーシャル感覚(実際に使ってみなければ分からない)
    ・MROCサービス選定の重要項目
     →システム
     →運用リソース(運用・分析に膨大なリソースが必要なため)
    ・MROCとオンラインGIの違い
     →MROC   =リスニング型(コミュニティの中でのユーザー同士の会話を傾聴する)
     →オンラインGI=アスキング型(モデレーターがユーザーに質問していく)

    (自分メモ)
      意識の高いリサーチャーとは違い、営業がMROCの販売をするのは
      かなり難しいと感じた。特に、代理店やネットリサーチの営業担当者が
      販売するのは、現状で実績が少なく面倒なやり方であることから、積極的に
      売る人はほとんどいないだろう(営業は、手離れの良い売り切り商品が大好き)
      個人的には、本気でMROCを売るのなら専任担当者を付けるべきだと思う。

      また、MROCは、調査会社ではなくソーシャルメディアに強い会社の方が、
      向いているかもしれないとも思ったり。
     (特に、リサーチ業界出身者の多いソーシャルメディアに強い会社)

 ●その他オフレコ多数
    ・参加者だけの秘密。書きたいけど書けない!

 ●まとめ
    ・今は、ネットリサーチ以来の大きな変革の時期。面白いぞ!



<講演後に色々思ったこと>
全体として、クックパッドの「たべみる」は、特化型サイトのBtoB向け
マーケティング支援サービスの1つの形ということで感慨深いものがあった。
ネット業界に入ってずっと着目していたので。

今後も各ジャンルのトップ企業が、自社会員のデータを活用したマーケティング支援サービスが
出てきて、従来の調査会社(ネットリサーチ会社含む)にとっては、脅威となることだろう。
こういったリサーチ手法が、従来の調査市場を喰っていくのではないか。

しかも、そこで必要となる知識・ノウハウは、「検索」「アクセス解析」「口コミ分析」などと
従来の調査会社にはない内容だ。とは言え、「仮説構築」→「仮説検証」という流れは
変わらないので、やる気があれば取り組めるノウハウだと思っているけど。
クックパッドのアクセスピークの時間帯の話とか、涎が出そうな内容だし。
(でも、アクセス解析に興味のある人なんてほとんど見掛けたことがない……)

また、検索キーワードの分析は、ノウハウの部分で「ソーシャルリスニング」と
近いと考えていて、リサーチに携わる人なら勉強しといた方がいいんじゃないの?
と思っている。検索関連のツールはフリーで色々あるので、自分で
「仮説構築」→「仮説検証」をやってみるのが良い訓練になるんじゃないかな。

例えば、私自身も今年の2月に、たまたまTwitterで話をしていた人との流れで、
「Google Insights for Search」によると、Facebookというワードの検索数が
東京で突出して多いことに気が付き、その理由について調べてみたことがある。

Facebookの「ユーザー数」と「日本国内での検索数」


私自身は、消費者を知る=リサーチならば、「検索」「アクセス解析」「口コミ分析」なども
全て「リサーチ」と言えると思っているんだけど、業界の方の認識はどうなんだろうか。


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テレビは、日本中の消費者のライフスタイルに密接に絡み付いている
最大の情報提供インフラである。インターネットでの双方向性が一般化した今、
テレビが一方通行の箱の役割でしかないのは、あまりにも勿体無い。

だからこそ、テレビという大規模インフラを活用した新しい収益モデルについて、
色々な企業が模索している。テレビ局・テレビメーカー・コンテンツプロバイダ・
ISP・独自ポータル(アクトビラなど)・大手ネット企業などなど。

最近では、Google+ソニーによるGoogle TVや、低価格で発売された
Apple TVなどの発表が記憶に新しい。



そこで、近い将来に実現されるであろう
テレビを軸とした「サービス」モデルを想像してみた。


●「サービス」概要
消費者は、テレビを購入する段階で、「サービス」の会員登録を行う。これが肝だ。
もちろん、カードの番号も登録する。「サービス」に登録すれば、テレビを経由して、
オンデマンドで映画を閲覧できたり、CMで流れた商品をそのまま購入したりできる。


●「サービス」の収益モデル
「サービス」業者が、映画配信や商品販売を行っているわけではない。
「サービス」業者が提供しているのは、テレビという端末とテレビに繋がった
配信経路と決済サービスと広告配信サービスだ。

この「サービス」の提供会社は、テレビ端末の販売に加えて、
決済代行手数料・広告収入(Google Adsense方式)・有料課金サービス・
自社コンテンツ販売が主な収益源となる。
リーチできる消費者は、ネットサービスとは桁が違う。


●「サービス」の利用スタイル
消費者は、「サービス」を利用すれば、まるでリモコンでチャンネルを変えるような
感覚で、テレビ経由で映画を安価に購入することができ、商品を購入することができ、
カスタマイズされた天気予報などの情報を自由に見ることができる。

消費者は、「サービス」を利用すれば、見逃したドラマも観ることができる。
わざわざ、録画する必要はない。大きなレコーダーなんかいらないのだ。
何故なら、リモコン1つでテレビ上にドラマの過去の回を呼び出し、
すぐに観ることができるのだから。

消費者は、「サービス」を利用すれば、CMで気になった商品をその場で購入する
ことができる。わざわざ、ECサイトで購入必要はない。鈍重なPCなんかいらないのだ。
何故なら、リモコン1つでテレビ上に気になった商品をその場ですぐに購入ことが
できるのだから。


●「サービス」のインターフェース
この「サービス」では、リモコンがユーザーインターフェースとして、
重要な位置付けとなるだろう。今のリモコンのように、ボタンが何10個も
付いていて、その半分以上の使い方が分からないような複雑なものではなく。

リモコンのボタンでは複雑な操作が難しいので、商品選択などの場合は、
タッチパネル方式が使いやすいだろうか。
タッチパネル式なら、視聴者参加型の番組で単純な投票方式だけではない、
リアルタイムでの対話型の番組なども作ったりしやすいかもしれない。



●「サービス」の2つの鍵
などと想像してみたが、この「サービス」の鍵は、
消費者のユーザー登録」と「入力インターフェース(リモコン)」だと考える。

登録をテレビ端末購入後にやらせる形は、テレビでやろうがケータイでやろうが、
既存のサービスを超えるほどにはならないだろう。特に、カード情報を取得したい
場合は。だからこそ、購入時点で登録させることが重要だ。
そして、購入時点で申込用紙に記入させることができるのは家電量販店。
では、量販店に登録を徹底させられるのは?

また、テレビ端末の使い方を広げるには、今のリモコンの使い勝手が
制約になってしまう。ボタンだけでは複雑な操作が難しいからだ。

キーボード? ノー。ノンPCユーザーには受け入れられないだろう。
テレビ画面でタッチパネル? ノー。テレビは離れて利用するものだ。
音声? ノー。現実的にはまだ早いし、複雑な操作は難しい。
タッチパネル? イエス。かも? 私はこれが1つの解ではないかと考える。

何故なら、タッチパネルを利用したことがない人はほとんどいないからだ。
スマートフォンではない。駅の券売機、銀行のATMなどなどタッチパネルに
触れる機会は事欠かないし、受け入れられやすいのでは? と思うからだ。
(と考えてみたものの自分でもまだイマイチ ピンとこなかったりする)


よって、「サービス」を構築し、この2つの鍵の部分を克服した企業こそが、
最終的にテレビの「消費者」市場を制することになると思うのだが、どうだろうか。
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【広告】会員制コミュニティサイトによる広告モデル1

未だに、竹の子のようにポコポコ生まれてくる会員制コミュニティサイトによる
広告モデルは、もっとも基本的な3点が理解されておらず、収益を如何に上げて
いくのか具体的な戦略が欠けたままスタートしてしまう場合が非常に多く感じる。

即ち、

1.集客:会員を集めること。
2.維持:集めた会員を活性化しアクティブ会員を維持し続けること。
3.収益:広告で収益を上げるには営業が必要なこと。


【1】集客-会員を集めること。
コミュニティサイトという入れ物があるだけでは、ユーザーは集まらない。
ユーザーがサイトを訪問し登録し継続的に利用してもらうには、4つの手法がある。
「情報」「コンテンツ」「インセンティブ」「コミュニケーション」

広告を売るための媒体価値としては、余程専門的なものでない限り、最低10万人規模の
会員が必要となる(性別・年代でセグメントしても、万単位を維持する最低ライン)。
しかしながら、会員を集めるには、特に短期間で集めるには非常にお金が掛かるのだ。

大抵の場合、アフィリエイトで集めるのだが、1ユーザーの登録あたり50~500円くらい
のコスト(登録条件や成果対象条件による)が掛かるので、1万人の会員を集めるだけ
でも先行投資として100万単位もの資金を投入する必要が出てくる。
そして、最終的に専門性のない会員制サイトは、累計会員数1,500万人を誇るmixiと
戦わなくてはならなくなるという絶望的な展開が待っているのだ。
(広告主の取り合いという意味でも、アクティブユーザーの取り合いという意味でも)


このパターンの最大の失敗例(まだ稼動しているが)と言えるのが、Anyだろう。
様々なベンチャーキャピタルからmixiを超える資本金を得て、アフィリエイトで
短期間に60万以上の会員を集め、SNSの中では何でも有りの高機能さを誇っているにも
関わらず、ユーザー活性化状況といえば、パッとサイトを見てもユーザー規模に
見合わない低いレベルであり、未だ広告収益の目処すら立たない状態であるからだ。


そこで、mixiとの正面対決を避ける方向性としては、カテゴリ特化型(例:@cosme/
化粧品)や職業特化型(例:m3/医師)などの特化型会員制サイトの道もある。
しかしながら、特化型のユーザーというのは、特化しているが故に、
マス広告的なアフィリエイトで大量に集めるのは難しく、サイト上の
「情報」「コンテンツ」「コミュニケーション」のいずれかを充実させて、
地道にユーザーを増やしていくしか道はない。

【成功例】
・情報:@cosme 化粧品のクチコミ
・コンテンツ: モバゲータウン 無料ゲーム
・コミュニケーション: 成功しているコミュニティサイト全般


そして、「情報」「コンテンツ」「コミュニケーション」を充実していく作業と
いうのは、アフィリエイトによる集客とは異なり、時間も人的リソースも掛かる
気の遠くなるような道である。何しろ、どんな頑張ってユーザーを獲得しても、
その時点では広告収益に繋げるためのスタートでしかないのだ。
しかも、折角獲得したユーザーも、あっという間にサイトに飽きてしまうので、飽きる
前までに、ユーザーにサイトへの居心地の良さを感じて貰わねば話が始まらない。

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